僕はAillio R1V2という電気を使った焙煎機を使っています。ガス釜を使わず、電気で焙煎するのでIH系となります。
ドラムの下に電熱線があり、それを高温にすることで、豆を焙煎します。熱風は出ません。本当は火を使った焙煎をやりたいのですが、いかんせん焙煎機は高額です。富士ロイヤルの1キロ焙煎機でも140万円します。オランダのギーセンやドイツのプロバットともなると高級車レベルです。それに焙煎機は大きいのでそれを設える場所が必要です。
一方、Aillioは破格の値段(それでも高いのですが)で、1キロまでを焙煎できます。かわいい形をしていて、台所にも置けます。移動するのが非常に楽ちんです。僕はそんな機動力に優れているが気に入りました。
AillioはRoastTimeというとても優れたアプリケーションがフリーで使えて、焙煎の温度変化や豆の管理ができます。これもとても気に入っています。視覚化されることで自分が今やっている焙煎のイメージが把握しやすいのです。が、一方で熱量のコントロールがとても難しいとも感じています。
いろいろ勉強した結果、「水抜き」がとても大切だとわかってきました。そしてそれは豆の外側と内側の芯にあたる部分の差を可能な限り縮めることだということもわかってきました。今はそれをいかにうまくやるかということに注力しています。
コーヒーの焙煎は熱量を使った技術ですので、同じ生豆を使っても焙煎する人によって味は大きく異なります。また、コーヒーは嗜好品と言われるように、味の好みも十人十色、昔ながらの深煎りが好きな方もいれば、フレーバー重視の浅煎りを好む人もいます。ブルーボトルコーヒーに代表されるサードウェーブが日本に押し寄せてきて、昨今都市部では浅煎り中心のカフェがたくさんあります。
しかし、僕の暮らす場所は北海道でもスーパー田舎ですから、スペシャルティコーヒーだの、ティーライクなフレーバーだのを声高に語っても、多くの人がピンと来ないと思っています。毎日体を使って働く人が多いので、ウンチクよりも、気持ちがホッとする一杯のコーヒーを作っていきたいのです。コンビニのホットコーヒーもいいのですが、全国どこでも画一的な同じ味で飲めるコーヒーではなく、自分たちが暮らす町で焙煎されたコーヒーを召し上がっていただきたい。毎日飲んでも飽きない、鮮度の良い自家焙煎コーヒー。それがCharlie’s Coffeeの目標です。
この相棒Aillioを使って北の果てで日々焙煎をする。なんとなくロックでイカすと思っています。